ハルサノの転職から人生を考える雑記

人材業界のヒミツを始め、今後のキャリアや人生の重ね方を考察する雑記です。

【職務経歴書の書き方】しっかりと自己PRするには?

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業界を知る立場から、企業ニーズに応える職務経歴書の記載方法をお伝えします

 

どーも、ハルサノです。

 

前回までの記事では、

転職を始めるにあたってのサービスの選び方をお話ししてきました。

 

www.recruit-finance.info

 

今回は、転職における第一関門、”職務経歴書”についてお話しします。 

 

現在私は、大手人材企業の事業企画部門にて、

主にマーケット分析や事業計画策定に従事しておりますが、

元々は、現場で転職をご希望される方とお電話や対面で、ご相談やご提案をさせていただいておりました。

(延べ2,000人以上の方とお話しをしてまいりました)

 

本日は、その経験と現部署における企業側のニーズ分析を踏まえ、

どのような職務経歴書が企業にとって目を引きやすいのか、について、

構成と内容を解説し、文例を示して、記載方法をお伝えしていきたいと思います。

 

 

1.大前提:企業のニーズを捉えて記載しましょう! 

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企業はどんなところを見ている?


 

巷の情報を否定するわけではないですが、

「”○○力”という見出しをつけて、自己PRを記載しましょう」のように、

”方法論”が先に来ていて、

本来の目的から外れているようなアドバイスを多く見かけます。 

 

なぜ職務経歴書を書く必要があるのでしょうか?

 

それは、「企業に自身の取り組みや成果を理解してもらうためです。

 

○○力という見出しの付け方は、見やすいタイトルをつけることで、

企業様の目に止まりやすくなる、というメリットはあります。

 

ただし、問題は「中身」です。

 

ちょっと厳しいことをお伝えするかもしれないのですが、

この「”○○力”を上手くまとめられた!」で満足しては、通過率はそこまで高くなりません。

 

この記事のポイントはその辺りにございます。

ぜひ、皆さんには【格段に通過率が上がる】記載方法をお伝えできればと思います。

 

 

2.全体構成について

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まずは、全体像を把握しましょう!!


 

職務経歴書は、下記の3つの順番に記載下さい。

 

1.職務要約(5〜7行の文章:文頭)

2.職務詳細(在籍企業ごとに表でまとめ、箇条書きで示す:文中)

3.自己PR(7〜10行程度の文章:文末)

 

まずは、この構成をしっかりと作ってみて下さい。

 

大枠はインターネットなどにもよく出ている内容かと存じますが、

行数がポイントです。

 

ブログと同じで、ある程度の文章量は必要です

 

ぜひ構成行数を意識して、スタートして見て下さい。

これだけで、全然違います!!

 

 

3.職務要約について

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職務要約はとても大事です!!


 

職務要約は、職務経歴書の中で、

一番最初に人事の方の目に留まる項目となります。

 

そのため、人事の方を引きつける内容にすることが重要です。

そのためには、(1)〜(5)の下記5点を記載するようにして下さい。

 

(1)過去から現在までのキャリア選択の振り返り

 

【記載の目的】

◎今までのキャリア選択の経緯(とその一貫性)を、理解いただくこと。

◎キャリア選択にあたっての、自身の内発的動機(大事なきっかけ)を理解いただくこと。

 

※必ずしも、一貫性が必要ではありません。経緯を分かってもらうのが目的です。 

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記載方法:大学卒業後、○○という理由で△△職を志し、XX株式会社に入社しました。

     その後は、▲▲に3年、■■に5年従事しております。

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(2)現職での専門的職務と成果について

 

【記載の目的】

◎文中に記載する「職務詳細項目」をまとめて記載し、簡潔に職務の専門性をアピールすること。

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記載方法:現職では、○○職として△△に対してXXを▲▲年しており、

     〜という成果を上げました。また■■にも取り組んでいます。 

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ここでいう、成果とは、目標達成率120%のような数値実績だけに限りません。

周囲からの評価(顧客や内部からの感謝や評価など)で良いのです。

※顧客や内部からのお礼、周囲から○○の取り組みで雰囲気変わったよね、などでも良いです。

 

必ずしも、大々的な成果がないといけないわけでは決してありません!!

加えて、成果を伝えやすい職種とそうではない職種が存在します。

そこは全く問題になりません!!

 

後段で説明しますが、結果よりもそこに至る考えや行動が最も重要です。

 

(3)上記(2)で記載した、専門的職務と成果の根拠となる行動および考え方について説明

 

【記載の目的】

◎自身の専門的スキル(プロスキル)を簡潔に記載し、専門的強みをアピールすること。 

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記載方法:常に○○という点を心がけ、▲▲のような状況でも正確かつスピード感のある

     業務を実現しておりました。

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(4)自身の性格的な強みについて説明

 

【記載の目的】

◎自身の人物的スキル(専門業務以外のスキル)を簡潔に記載し、専門的強みをアピールすること。

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記載方法:昔から目標達成に向けた行動力が強く、現在も資格取得に向けて、

     努力を重ねています。現職も未経験からのチャレンジではありましたが、

     不明な点も○○するように心がけ、すぐに業務を身につけることができました。

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(5)結びの文言

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記載方法:これらの知識や経験を生かし、御社に精一杯貢献したい所存です。

     宜しくお願い申し上げます。

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●補足● (1)〜(5)を合わせた記載例

※あくまで、私の想像で記載したものです。

 

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(1)大学卒業後、「人の近くで人の役に立ちたい。」という考えのもと、

   単なる娯楽商業施設としてではなく、出店する地域の雇用や生活の根幹を

   支えるビジネスモデルに共感し、■■社に入社いたしました。

 

(2)営業職として■■に配属後は、主に衣料・食品テナントの営業支援として、

   個別店舗の立て直しや集合催事等を実施。また、モール全体の販促担当として、

   広報の計画や、それに合わせたチラシ、WEB広告、交通広告等の企画運用、

   館内外の装飾・VPの企画展開に従事してまいりました。

 

(3)常にお客様の関心の一手先を読むスピード感の元、

   同時期に複数の関係会社様を巻き込んでの企画運用に向けた進捗管理など、

 

(4)「動かなければ、何も始まらない。」を座右の銘として取り組んでまいりました。

 

(5)今後も精一杯努力し、いち早く御社に貢献できるよう努めます。

   何卒宜しくお願い申し上げます。

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4.職務詳細について

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職務詳細は、詳細かつ見やすく記載しましょう!!


 

職務詳細の記載方法で、大事なポイントは見やすさです。

在籍企業ごとに表でまとめ、箇条書きで示すことによって、企業様からも見やすい構成となります。

 

また、できれば数値があったほうが説得力が増す内容となります。

もし、営業職の方などで、目標達成率等が記載できる場合は記載した方がいいです。

 

不況などで目標達成自体が難しかった際の書き方としてオススメなのが、

 「●人中▲位」という記載方法です。これであれば、相対的な基準を示すことが

 できるので、オススメです。

 

職務詳細については、

一般的に出回っているフォーマットや記載ノウハウを参考にいただければ、

十分に通過率を担保した書類作成が可能ですので、詳細な記載方法は割愛いたします。

 

 

5.自己PRについて

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自己PRはスキルを分けて書くと、伝わりやすくなります!


 

まず、とても大事なポイントとして、

自己PRは、企業が”スキルの再現性”を確認している項目になります。

 

スキルの再現性とは、

現在のスキルが応募した企業でも発揮できるものか?ということです。

 

スキルの再現性を示すためには、下記の専門的・人物的スキルについて、

詳細かつ具体的に記載する必要があります。

具体的に書くにあたっては、エピソードから引用すると上手くいく場合が多いです。

 

専門的スキル(プロスキル) → 職務要約で記載した(3)の項目に該当

人物的スキル(専門業務以外のスキル) → 職務要約で記載した(4)の項目に該当

 

【記載の目的】

専門的・人物的スキルについての再現性を企業にアピールすること

・自身の強みを再認識すること

 

(1)記載例:専門的スキル

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【同時期に複数者を巻き込んでの主体的なスケジュール管理】

 一度のプロモーションにおいて、●●会社、▲▲業者、■■業者含む、約XX〜XX社と、個別店舗の計XXX店舗分のスケジュール管理を同時進行で行ってまいりました。

 異なるスピード感で動く各社の足並みを揃えるため、締切日を設定する際は、プロモーション発足までの全体スケジュールと、設定した締め切り日後の流れやそれに伴う期間等も併せてお伝えすることで、関係会社様と共通のゴールを持って、業務を遂行できるように努めて参りました。

 また、自身が不在時でも事務所からの対応ができるように、進捗状況が確認出来るスケジュール表や、指示書を作成し、常に業務が回せる環境を整えて参りました。

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いかがでしょうか?

動き方がとても具体的ですし、何を目指してそれをやっていたのかも明確です。

 

もしこのような自己PRが書いてあったら、

「同じことがウチでもできそう」

「あの業務なら入ってすぐでも任せられそう。この方ならできそう。」

と思ってもらえそうじゃないでしょうか?

 

みなさんがなぜそう思ったかと言いますと、

”なんか繰り返せそう”って思ったからじゃないでしょうか?

 

つまり、考えと行動をとても具体的に示せれば、

スキルの再現性を企業に示すことに繋がるんです。

 

ぜひ”具体化”を意識して、記載して見てください!!

 

 

(2)記載例:人物的スキル

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 日々心がけていることは、慎重で丁寧な作業をスピード感を持って取り組むことです。

不明点や心配点があれば、必ず周りと共有し進めていきます。

 他部署との連携を大切にしながら、会社の数値管理に貢献していきたいです。

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人物的スキルは、「ポータブルスキル」と呼ばれています。

つまり、携帯できるスキルであって、どこの企業でも使えるスキルという意味です。

 

スキルは必ずしも専門的である必要はないです。

上記のような、”どこの企業に行っても発揮できるスキル”も大変重要です。

 

もし専門的なスキルを書きにくい場合は、

こちらの内容で厚みを持たせて、7〜10行、記載してみて下さい!!

 

 

まとめ 

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今回は、職務経歴書はなぜ書かなければいけないのか?

という視点から、より通過率を高める記載方法について、お伝えしてまいりました。

 

その質問への答えとしては、

◎企業に、自身の考えや選択の経緯を分かってもらうため

◎企業に、自身のスキルが御社にて再現できることを分かってもらうため

 

その手段として、

全体構成の検討

表や箇条書きの活用

専門・人物スキルに分けた記載

見出しの検討

 

これらをお伝えさせていただきました。

 

転職活動中の方で、書類選考にお悩みの方は、

ブラッシュアップにぜひご活用くださいませ!!

 

また、転職は未定、という方であっても、

もし自身の成果や取り組みを具体的に文面化するとどうなるか?、という視点から、

現時点での振り返りに活用し、市場価値の生み出し方を検討するツールとして、

一助になれば幸いでございます。

 

では、またどうぞ宜しくお願い致します。